空から見てみよう

日々感じた事のひとりごと

蜘蛛と私

この間ふと見ると神棚の下から蜘蛛がぶら下がっていた。

普通なら蜘蛛はそのままベランダに逃がすのだが、この時はなんとなく神棚の下だったというのもあってそのままにしておいた。

その蜘蛛はそこから動かず、じっとしていた。

それ以来、私は蜘蛛が同じ場所にいるのを確認するのが朝の日課となった。

 

ある朝、蜘蛛はいなくなっていた。

唐突に居間の天井からぶらさがっているのを見つけた。

 

そして、数日後また突然いなくなりどこ行った?と思ったら、違うコーナーの天井にぶらさがっているのを発見した。

なんとなく私はこの蜘蛛神出鬼没でかっこいいなと思い、イチローという名をつけて話しかけ始めた。

ちょっと危ない人かも知れない(笑)

毎朝イチローおはようと言って、寝る時はおやすみと言って寝た。

その場所でイチローはしばらく多分一週間くらい?じっとしていた。

 

ある朝イチローがいないと思って、また移動したのかなと思いそこらじゅうを探したら、床に落ちていた。

イチローは死んでいた。

 

私はショックでちょっと泣いた。蜘蛛が死んでるのを見る事なんて珍しい事ではないのに。今回は違った。

あまりにも孤独な私に神様がよこしてくれた友達のような気がしていた。

イチローをお花の咲いているガーデンの下に埋めた。イチロー有難うと言った。

 

私は最近ウクレレを弾くのにはまっている。

昨夜弾いていると、突然でかい蜘蛛が現れた。イチローとは違う種類の手足の長い大きい蜘蛛。

一瞬ぎょっとしたが、そのまま演奏を続けた。

その時、私は中島みゆきの糸を歌いながら弾いていた。

蜘蛛もぎょっとしたに違いない。部屋を横切ったあと、ドアの隙間から必死に逃げようとしている(笑)

私は面白くなってずっと蜘蛛を目で追いながら、ウクレレを弾き歌い続けた。観念したかのように蜘蛛はドアの隙間をあきらめ、壁づたいに違う方向へ逃げていった。

なんか笑えた。

そして、蜘蛛と糸の関連から芥川龍之介の蜘蛛の糸の話を思い出したりした。

私が孤独で辛い時こういう現象がおきるのはきっと偶然じゃない。