一人で散歩した帰り道、盲目の少年を見かけた。
彼は杖のようなもので前方付近を確かめながら、一人で歩いていた。
私はふと思った。私は一人で行こうと思えばどこでも行ける。
手も足も、ちゃんと前を見る事のできる目も、ちゃんと聞こえる耳もある。
彼には見えない世界しかないのだ。
私には想像がつかない。
しばらく様子を見ていたが、彼は時々ぶつかったりしながら、でも、着実に歩いていた。
驚いたのは、彼からは全く恐れを感じなかった事だ。
彼は怖くないのだろうか。私なら、多分引きこもりになってしまうだろう。
彼はなんと強いのだろう。
なんか見ていると涙が出てきた。
とても怖がりの私に勇気をくれた気がした。
人に勇気を与える人ってすごい。