人は様々な状況の下に生まれる。
生まれてきて色々な経験をする。経験をする前と後では人間の質が全然違ってくる。
たとえ一ミリでも厚みがでる。
その厚みが増せば増すほど人に対して寛大になり、慈悲深くなる。
共感力が持てるようになる。
経験のない人は人に対して厳しい。本当の意味での苦しみ、どん底を味わった事がないからだ。
あなたが、苦しみ抜いてそれでも歯をくいしばって頑張って生きている時、ふいに人から差し伸べられた手に心を打たれる経験をする。
通りすがりの赤ちゃんの笑顔に元気づけられる。道端にひっそりとさいている花に癒される。
その時、あなたは頭ではなく心の底から理解するのだ。
そういう経験そのものが自分をつくってきたのだと。
これからはせめて自分だけは人に優しくなろうと心に誓う。
そして、自分のように辛い気持ちを過ごしている人がいるなら、どうか元気を取り戻して欲しいとなんとか勇気づけようとする。
どん底を味わった人の経験はその人にしかわからない。
そして、そういう人こそ人を無言で助けようとする。
どんな人もその人なりに一生懸命に生きている。
人を批判する心はもうない。